ほとんど笑わない人が、微笑を浮かべるから、
キラースマイルと言われるようになるんだろうか。
そう思ってしまうくらい、無表情が似合う彼だけど、
今回の作品は、懇願したり、激怒したり、陶酔したり、
感情が沢山表れていて、ドキドキした。
降り注ぐ雨に血が混ざって、
赤い涙を流しているようなシーンは、
エグいというより美しかったり。
ほとんどスタントマンを使わなかったというアクションシーンは、
回し蹴りの美しさに見とれてみたり。
吐いたり、腹からドクドクっと血が出た時は、
さすがに眉間に皺が寄ったけど。
ノアール映画と呼んで良いのか判らないけど、
派手なアクションと演ずる人たちの細かな表情の対比が、
実に素晴らしいと思った。
最後の瞬間に、愛しき人の声が聞こえるというのは、
「甘い人生」と呼ぶに相応しいのだろうか。