桜井亜美の「Lyrical Murderer」読破。
ホントの自分を隠し、理想の自分像を
いつしか本当の自分だと錯覚するイリアと
昔出会った少女に恋心を抱き続け、
その少女と同じ名前を持つメル友に
次第に惹かれていくダイチ。
二人のメールのやり取りのみで進むストーリー。
優しい嘘はあっていいと思う。
知らずにいた方が、幸せなこともあるし。
恋や憧れのままで残される記憶は美しい。
本当にそう思う。
今は、メールという便利なものがあるから、
コトバの重みがなくなってきているような気がする。
口に出してはいい辛いことも、メールだったら言い出せるし。
ワタシのコミュニケーション能力の低下が止められないのは、
楽な方法に逃げているせいでもあると再認識。
ただ、メールというツールは外せない。
電話のように沈黙が怖いということもないし、
タイミングを外すことも少ないし、
自分の時間でコトバを紡ぐことが出来るし。
時々、声を欲するときがあるけどね。
やわらかくて、やさしい声を。