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すきなひとすきなことすきなときすきにかく

キルミー・ヒールミー

 

チソンさんが好き過ぎて冷静な評価が出来ないので、褒めちぎりますが、本当に凄い演技力でした。7つの人格をしっかり演じ分けられる俳優って、他にいるかしら、いや、いないでしょ、少なくてもワタシは知らない、そもそも多重人格を取り扱うにしても7人は多過ぎ!と脱線した感想が飛び出すほどに圧倒的でした。髪型や服装で分かりやすい違いも提示してもらいましたが、心を動かしたのは目の演技でした。別人格のしでかしたゴタゴタの後始末に大忙しの心優しく誠実な主人格を演じている時はとても穏やかで優しい目をしていたし、主人格が心の平穏を失った時に現れた気性の激しい人格を演じている時はギラギラと敵意剥き出しの目をしていたし、痛みや苦しみに耐える為に生み出された勝手だけれど憎めない女子高生の人格を演じている時は茶目っ気たっぷりの目をしていたし、その女子高生の双子で思慮深いけれど自殺願望がある男子高生の人格を演じている時は波が立たない水面のような目をしていたし、酒が大好きで爆弾作りが趣味のおじさんを演じている時は陽気な酔っぱらいの目をしていたし、幼い時に自分が守りたかった少女の人格を演じている時は監禁虐待に怯える子供の目をしていたし、その少女の父親の人格を演じていた時は娘を思いやりつつも主人格を未来に導く力強い目をしていました。

俳優さんにとって、ビジュアルだったり、声質だったり、演技力だったり、表現者として大切な要素はたくさんあると思うけれど、目で演技出来ることと走り方が美しいことをワタシは割と重要視しているので、チソンさんの目の演技は本当に素晴らしいと思いました。次の作品も楽しみです。またハートを鷲掴みにしてくれるんだろうなあと思うとニヤニヤが止まりません。