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YOU MADE MY DAWN/SEVENTEEN

1月21日発売の6TH MINI ALBUM「YOU MADE MY DAWN」。タイトル曲が「Home」と名付けられていることもあり、冬に届けられるアルバムからどのような温もりを感じさせてもらえるのか期待が高まりました。


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3バージョンのうち、「BEFORE DAWN VER.」を手に入れてみました。品のある金髪、背景と同じような色に見える瞳と白い肌、半開きの口元、そして頬杖。全てが美しくて完璧でハートを根こそぎ持っていかれました。

Track Info

  1. Good to me
  2. Home
  3. 포옹[Hug]
  4. 칠리[Chilli]
  5. Shhh
  6. 숨이 차[Getting Closer]


1.Good to me
冒頭に流れるやわらかな鍵盤音が曲中繰り返し使われているのが心地よくて印象的。演奏がシンプルなので、そこに加えられるコーラスがとても華やかに聴こえるし、その技術力に感動します。大人数グループだからこそ出来る細かなパート割がとてもよく活かされていて、波のように押し寄せるひとりひとりの声と小気味よく刻まれる打楽器音が絶妙に絡まって、ただただ唸らせられました。楽曲から感じる色気が個人的にはとても好きです。


2.Home
このアルバムのタイトル曲。マリンバのようなやわらかくてまるい音から始まるので、冷えた体に暖かさが沁み込むような印象を受けました。そこへ続くジョンハンの歌い出しがやさしさを溶け込ませ、続いて、落ち着いたジョシュアの声が深みを与えてくれるので、「Home」というタイトルに相応しい楽曲だと感じました。同じフレーズでもオクターブ違いで歌っているところは、メンバーの個性を活かしつつ楽曲の雰囲気を変えてくれるので、とてもいいアレンジだと思いました。男性が歌うにはとてもキーが高いところもありますが、苦労を感じさせることのないテクニックを披露してくれるのは流石です。


3.포옹[Hug]
ボーカルチームの楽曲。ボーカルとアコースティックギターとコーラスのみで形成される美しい世界は、タイトルどうり聴いていると抱擁されているかのようなやさしさが詰まっているように感じました。努めてやわらかい声を選び、丁寧に音と言葉を刻んでいくところが本当に好きだなあ、と。特に、「미안하지 마(謝らないで)걱정하지 마(心配しないで)무서워하지 마(恐れないで)이젠 울지 마(もう泣かないで)」に強い想いを感じて、心が揺さぶられました。


4.칠리[Chilli]
ヒップホップチームの楽曲。ゴリゴリのラップを歌っている時とやさしい声色で歌っている時のギャップがヒップホップチームの魅力のひとつだと考えていますが、この楽曲での彼らの甘めの声にはうっとりしますし聴き惚れます。歌詞内に散りばめられた「chilly(肌寒い)」「chillin’(冷やす)」「breathin’(呼吸する)」「입김【イプキム】(息)」「team(チーム)」など、韻を踏んでいる言葉の数々には面白さを感じました。最初に曲名を知った時は「칠리」とは?と思いましたが、唐辛子のチリと知ってからは、言葉の響きがとても似ている「Chilli」と「chilly」が意味においては対極にあるような印象を受けることにも面白さを感じました。歌詞としてはブックレットには載っていませんが曲の冒頭で「Ay Ya Ya」と歌っていて「Good to me」に出てくる歌詞と同じだったり、「더 더 덜【ト ト トル】」が「숨이 차」に出てくる歌詞「더 더 더【ト ト ト】」に近かったりと、私が気が付いていないだけで、様々な仕掛けのようなものがまだあるのではないかと思ってしまいます。


5.Shhh
パフォーマンスチームの楽曲。グループが3つのユニットに分かれていることもあり、彼らのことをよく知らない方にはパフォーマンスチームはダンスが得意なグループと思われているかと思いますが、歌も上手いし、ラップも上手いし、歌詞も書いているし、と多才なチームの実力をこの楽曲で存分に感じてもらいたい!と思いました。囁き声での「Whisper Whisper」、高音域が美しい「진심은 영원히 소중해서(真心は永遠に大切で)」「나의 마음을 나의 마음을(僕の心を 僕の心を)」、ブレイク部分での「Shhh」、口笛、サビに入る前の力強い「Turn up」だったりと、通常の歌唱やラップの他に細かく緩急が付けられたテクニックが盛り込まれているので、聴いていてとても楽しいです。そして、体が自然と動きます。


6.숨이 차[Getting Closer]
少ない音を重ねてじわじわと始まったと思いきや「BRRRRRR」という叫びで一気にダークな雰囲気になり、ミンギュのハスキーな声が聴こえてくることによってその雰囲気がいっそう深まるという流れが素晴らしいと思いました。打楽器の音だけではなく「붐붐붐붐붐붐붐붐붐」と同じ言葉を刻むことによってリズム感を出したり、低音を抜くことによって声の響きを強調させたり、エフェクトをかけた少々不穏な印象の声を使うといったアレンジに唸り、突き抜けてくる高音で痺れ、オクターブ以上離れた音でのハモりの美しさに心を奪われました。イヤホンで聴いてみたら左右に音が振ってある箇所があることに気が付いたりして、様々な環境で聴き比べる面白さも感じさせてもらいました。


色気溢れる楽曲、暖かさを存分に感じさせてくれる楽曲、世の中の全てのやさしさを詰め込んだような楽曲、体の緊張をほどいてくれるような心地いい楽曲、体が自然とリズムを刻む楽曲、洗練された音に切れ味鋭い声を乗せてくる楽曲が一度に届き、テクニックもさることながら、CARATに想いを届けたいという情熱が伝わってきた気がしました。アルバムをリリースすればいつもこちらの予想を超えてくる、そんな印象を持っているのですが、今回も軽やかに超えてきてくれました。どんどん好きが積もるという幸せを感じられる一枚です。