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헹가래[Heng:garæ]/SEVENTEEN

6月22日発売の7TH MINI ALBUM「헹가래[Heng:garæ]」。헹가래とは胴上げという意味で、アルバムのタイトルが韓国語表記なのは初めてだったり、アルバムにネジが封入されていて、手に入れた人が自由にアルバムのブックレットを制作できるという斬新な試みもあり、いつでもファンを飽きさせず、ドキドキさせてくれるなあ、とありがたい気持ちになりました。


公開されたOfficial Photoでジョンハンのあまりの可愛らしさに撃ち抜かれた「VER.SET」を手に入れました。


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Track Info

  1. Fearless
  2. Left & Right
  3. 좋겠다 [I Wish]
  4. My My
  5. 어른 아이 [Kidult]
  6. 같이 가요 [Together]


1.Fearless
「Fearless」は「恐れを知らない」「大胆不敵な」といった意味があるようですが、COMMENTARY of SVT LEADERS*1で語られていた通り、本国での前タイトル曲「독:Fear」で表現された恐怖から抜け出したSEVENTEENの姿を強烈に表現していて、最初の「Eh oh eh oh」という力強い掛け声で心を奪われました。金管楽器の音を割ったり、ベース音を歪ませることによって、楽曲を重々しい雰囲気にしているのがとても好きですし、そこに高音域の声が乗ってくるから幅広い音域を感じられてとても高まります。「영원한 건 절대 없단 걸 알면서도 끝낼 수도 없어(永遠なんて絶対にないと 分かってても終わらせられない)」が「독:Fear」の歌詞と同じで、フレーズも2音半下げてるだけで同じという仕掛けも大好きです。


2.Left & Right
このアルバムのタイトル曲。「하나 둘 셋 넷(いち に さん し)」で始まり、サビで繰り返される「Left and right」「Rip it Rip it」という覚えやすい歌詞が言葉の壁を軽々と超えてくれるし、思わず体がリズムを取ってしまう軽快さが大好きです。「웃어봐 더 하하하하(笑ってみて もっと ハハハハ)」のところでベースの音階が徐々に上がり、パーカッションの連打する音で盛り上がり、勢いづいたところでキメに入る「시원하게【シウォナゲ】(すがすがしく)」の歌い回しが、スングァンは力強く、ホシは跳ねた感じなのがとても好きです。サビで、おそらくトロンボーンだと思いますがバリバリと鳴らしている音が入っていて、金管楽器の音色が好きな私はテンションがだだ上がりました。難しいフレーズをさらりと歌いこなす彼らには余裕綽々という言葉がぴったりで、大人になった彼らのかっこ良さがたくさん詰まっている楽曲です。


3.좋겠다 [I Wish]
多くの楽曲で力強い歌声だったりラップを披露しているヒップホップチームのメンバーがやわらかい声で歌うのがとても好きなので、全体のやわらかくてやさしい雰囲気にぴったりの歌声が聴けて嬉しかったです。声質が違う13人が歌っても凸凹した感じにならないのは、メンバーの歌唱力によるところも大きいけど、統一感を出すディレクションが上手なんだろうなあ、と。叶わなかった恋を叶った相手に「I Wish」と表現するという切なさいっぱいの歌詞なのに、やさしさばかりが伝わってくるのは、メンバー達の人柄がそのまま伝わるからなんだろうなあ、と私までやさしい気持ちになりました。


4.My My
'헹가래' Trailer : A Scene of the Journey "V"*2でこの楽曲は、旅行というテーマで人生の話をする楽曲だが、だからと言って人生の話がディープであったり難しく捉えるわけではないとウジが説明していた通り、「나의 여행의 시작은 나야(僕の旅行の始まりは僕だ)」という強い意思を軽やかなメロディーに乗せることによって、メッセージが強くなり過ぎなくなっているところが彼ららしくていいなあ、と。サビ前にドラムのキック音を連打して盛り上げたり、鍵盤だけが鳴るところに声を乗せたりと楽曲が単調にならないアレンジがとてもいいし、大サビ前の「내 삶은 여행 여행 여행~」のところから手拍子のような音が聴こえてくるから、コンサートで手拍子して一緒に盛り上がれるかも?と思えたし、CARATも一緒に楽しもう!という彼らの想いが感じられた気がしました。


5.어른 아이 [Kidult]
「어른 아이(Kidult)」は「大人びた子ども」といった意味があるようで、作詞のクレジットがエスクプスの方がウジより先に来ているので、エスクプスが中心になって作り上げたのだと推測しますが、つらい時子供みたいに泣きたいけど表では笑って流さなきゃならない時代を生きている全てのKidultに対して慰めるメッセージを込めた曲とのことで、繊細でとてもやわらかな心を持つエスクプスらしい気がします。そして、メインボーカルのドギョムとスングァンがつらそうな曲を作ってみたいと言っていたのをウジとBUMZUさんがものすごくいい感じに作ってくれましたとCOMMENTARY of SVT LEADERSでエスクプスが話していて、メインボーカルのふたりならやれる、やってくれるという絶対的な信頼が見えて、心が震えました。ふたりがとんでもなく難しいフレーズを情感豊かに歌うから、聴いているうちにどんどん気持ちが高まり、大サビ前の「Wo wuh wo wuh wo wuh wo wuh~」では何度聴いても涙腺が歪むし、大サビの掛け合いで鳥肌が止まらなくなりました。


6.같이 가요 [Together]
いい意味でK-POPっぽさがなく、日本語の歌詞とも相性が良さそうなリズムなので、日本語詞ver.も聴いてみたい欲がふつふつと。サビ前で演奏がパーカッションだけになりウォヌのストレートな声がクリアに聴こえてから一小節無伴奏になり、ドギョムが朗々と歌い上げるサビに突入する流れが秀逸で。2コーラス目の同じフレーズはホシの力強い声から、繊細さと力強さ両方を兼ね添えたウジの声に続いて、こちらもとても素晴らしくて。大サビに入る前、少し雰囲気が変わるところでジョンハンのやわらかい声が聴こえてくるから、心のやわらかいところが撫でられたようでした。SEVENTEENのパート割は本当に素晴らしいと思います。サビの「같이 가요(一緒に行きましょう)」という歌詞にはとても励まされました。私はひとりじゃないんだって。SEVENTEENはいつも私たちの手を引いてくれる気がして、彼らを好きになれたという幸せを噛み締めずにはいられません。


サビ前のアレンジが私の好みにとても合う楽曲が多く、アルバムを出すたびに期待以上の楽曲を届けてくれる彼らには感謝ばかりです。様々な感情に寄り添ってくれる彼らの楽曲が、私の平凡な日常を彩り、支え、헹가래(胴上げ)されている時の高揚感に似た気持ちをくれた最高の夏になりました。