- 作者: 桜井亜美
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2005/08
- メディア: 文庫
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毎度の如く、生々しい描写については、
ちょっとだけ尻込みしちゃうんだけど、
それをあっさり越えてしまう圧倒的な表現力。
セイラが止められなかった衝動も判るし、
チハルが抱いた恐怖も判るし、
イブキの欲望には激しく共感するし、
カイジの孤独が自分に重なって痛いし。
登場人物のひとりひとりが、
自分のどこかしらを表現しているようで、
奇妙な感覚に陥る。
ワタシはワタシで、それ以外の何者でもなくて、
偉そうなこと言えた存在ではないんだけど、
ひっそりとね、世界の端っこで生きてるんだ。
上手にコトバがこぼれてくれたら、
もっと素直に生きられるのかな。
ふと、思い出す。
月が映し出されるミッドナイトブルーの海。
毎日通った海。
今のワタシには、そういう風景が必要なのかも。