- 作者: 嶽本野ばら
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/07/14
- メディア: 単行本
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心の涙とでも言うのだろうか。
瞳からは出なかった感情の欠片が、
体の真ん中で熱くなって、
思わず本を抱きしめてしまった。
丁寧な言葉で淡々と綴られているのに、
徐々に重ねられていく切な過ぎる時。
決められてしまったその時が、
奪っていくことと与えてくれること。
限りあるからこその美しさ。
悲しい程醜悪な私。
それでも、神様は光を与え続けてくれる。
同じだけの闇を抱えて、途方に暮れるけれど、
私は幸福。
愛している、なんて口では言えないけれど、
いつも、いつまでも、そっとここで呟くよ。
君と出逢えたことに感謝して。
熱く、悲しく、だけど優しい気持ちをくれた、
一冊の本にも感謝して。